BUSINESS MODEL ANALYSIS / 2026.04

売上×型化×属人化の
三軸で視るリリフルの現状

訪問看護ステーションリリフル・ケアステーションリリフルの稼働実態を、2026年1〜3月(3か月)のカレンダー実績・請求一覧・シフト表から分析。 31名の利用者を9セグメントに分類し、売上貢献・訪問パターンの型化率・担当スタッフの属人化度合いを突合した上で、 引継ぎ優先度を可視化した経営者向けレポートです。

分析期間 2026.01 – 2026.03 対象 31名 / 訪問899件 作成 2026.04.20
MONTHLY AVG REVENUE
7,549,091
3か月合計 22,647,272円 / 年換算 9,059万円
ACTIVE USERS
31
全売上の92%をカバー
VISIT HOURS
1,702h
月平均 567h / 2h超が68%
PATTERN FIXATION
75%
週次ルーティンで説明可能
SECTION 01

セグメント別の売上貢献

31名を9セグメントに分類し、3か月の売上貢献を可視化。わずか2名の「成人重度訪問」が月678,520円/人と最高単価を示す一方、売上最大セグメントは「小児医療ケア(看護)」の6名です。

セグメント別 売上構成比
3か月合計 22,647,272円 の内訳
1人あたり月平均売上(保険種別内訳)
医療・介護・総合・港重症・レスパイト・自費の内訳
利用者別 月平均売上 (上位15名)
セグメント別に色分け・降順
GLOSSARY

保険区分の用語説明

本レポートで使用する請求区分6種類の意味を整理します。複数区分を併用する利用者も多くいます。

医療

医療保険による訪問看護療養費

健康保険・後期高齢者医療などに基づく訪問看護。対象は主治医の指示書がある疾病の患者。保険給付率が高い(98%が保険負担)最大の財源。

介護

介護保険による訪問看護費

介護保険(要介護・要支援認定者)に基づく訪問看護。ケアマネージャー経由の契約。単価は医療の約半分だが、ケアプランに組み込まれ継続的に発生する。

総合

障害者総合支援法の居宅介護

障害者総合支援法に基づく居宅介護・重度訪問介護。障害のある方(主に成人・小児)の自立支援サービス。リリフルのケアステーション事業が提供。

港重症

港区重度身体障害者(児)訪問事業

港区独自の制度。重度の身体障害者・障害児への居宅生活支援に対する区の補助。100%が保険(公費)負担で、利用者自己負担なし。

レスパイト

レスパイトケア関連

主たる介護者の休息(respite)を目的としたサービス。重度障害児者の家族介護負担軽減のため、一時的な介護・見守りを提供する。

自費

保険外・全額自費の訪問

保険適用外の訪問サービス。利用者の自己負担率が79%を占める(残り21%は公費等)。高齢者の長期利用など、保険枠を超えたニーズに対応。

SECTION 02

請求区分別の単価・訪問回数と内訳

保険区分ごとに「1訪問あたりの単価」と「1か月あたりの平均訪問回数」を算出。月請求額は全利用者(2026年1-3月に請求のあった全45名)ベース、訪問回数・1訪問単価はカレンダー掲載31名ベースでの参考値です。

📋 カレンダー31名 vs 全利用者(45名)の差異について
2026年1-3月の全請求月平均は 8,212,633円(45名)、うちカレンダー掲載31名分は 7,549,091円(92.1%)。 差額 663,542円/月 は、カレンダー未掲載の15名(筒井・前川・塚田・畑中他・港区処遇改善加算)分で、 スポット訪問・終了間近の利用者・加算項目として請求されています。本セクションの「月請求額」はこの15名も含む全利用者ベースで、請求一覧と一致します。
区分別 1訪問あたり単価
請求額 ÷ その区分が発生する訪問件数
区分別 1か月あたり訪問回数
3か月累計÷5。併用区分は重複カウント
区分別 月次サマリ詳細
1訪問単価・月訪問回数・月請求額の内訳構成
FINDING 01
医療保険が訪問件数・売上ともに最大
月327回訪問/月3,538,127円で全体の約50%を占める。1訪問あたり9,310円、保険負担98%の安定財源。
FINDING 02
介護保険は単価が低いが回数で稼ぐ
1訪問6,200円と医療の約2/3。月108回訪問で768,136円の売上。保険82%+自己負担16%の構造。
FINDING 03
自費は単価8,310円で自己負担79%
月37回で378,027円。4名が該当(白石・大石・山海(宣)・山海(保))。高単価だが回収リスクは利用者側にある。
SECTION 03

セグメント別 月次サマリ詳細

10セグメントの月次サマリ。①〜⑨はカレンダー記載31名、⑩はカレンダー外15名(スポット訪問・終了間近の利用者・港区処遇改善加算)で、合計すると請求一覧の月平均8,212,633円と完全一致します。

📊 セグメント合計と請求一覧の照合
区分 月平均売上 人数 備考
セグメント①〜⑨ 小計7,549,091円31名カレンダー掲載・訪問パターン分析対象
セグメント⑩ (非カレンダー)663,542円15名スポット/終了間近/港区処遇改善加算
合計 (請求一覧と一致)8,212,633円46名+加算2026年1〜3月の請求一覧月平均
SECTION 04

型化パターン × 利用者属性

3か月(約13週)を通じて「同一サービス×曜日×開始時刻×所要分」が3回以上発生した訪問の割合を「型化率」と定義。型化率が高いほど引継ぎ容易です。

セグメント別 平均型化率
高いほど定型化が進んでいる
年齢層別プロファイル
型化率は若年成人(18-39)が最低60%
区分別プロファイル(1か月あたり売上と型化率)
利用者区分(看_医療/看_介護/支援+訪看など)ごとの集計
区分別プロファイル(1訪問あたり売上)
利用者区分ごとの1訪問単価を保険区分別に積み上げ表示(併用請求含む)
💡 注目ポイント:支援+訪看(医)は1訪問あたり46,426円と突出(医療+総合+港重症+レスパイトの同時請求)。 看_医療は14,229円、看_介護は7,588円と、利用者区分により1訪問単価が約6倍の開きがあります。
SECTION 04B

区分別 型化パターン一覧

同一サービス×曜日×開始時刻×所要分の組合せが3か月間で3回以上発生した「型化パターン」を区分別に列挙します。保険区分別の1訪問単価も表示しており、特に「看_自費+看_介護」「支援+訪看(医)」では、1回の訪問に対して複数保険区分の併用請求が発生しています。

SECTION 05

担当スタッフ(Ns/セラピスト)と属人化度合い

シフト表から抽出した延べ1,145担当レコードをもとに、各利用者の「主担当1人の占有率」を算出。スタッフの職種(看護師Ns/PT・OT・STのセラピスト)ごとにも集計しています。

利用者別 主担当占有率
50%以上=高属人化(注意)
スタッフ別 担当件数 (全員)
色=職種 (青=Ns / 緑=セラピスト)
スタッフ一覧 (職種・担当件数・主担当)
カレンダー31名を担当するスタッフ20名
スタッフ 職種 資格詳細 延べ件数 担当利用者 主担当(50%超)利用者
高属人化リスト (主担当占有率50%以上)
主担当者が不在の場合の影響が大きい利用者
利用者 セグメント 月売上(円) 占有率 担当数 主担当(職種) リスク
SECTION 06

引継ぎ優先度マトリクス

売上貢献(40%) × 属人化(30%) × 型化困難(20%) × 稼働時間(10%) の合成スコアで優先度を算定。上位6名(Tier 1〜2)だけで総売上の53%を占めます。

優先度マトリクス(月売上×型化率)
バブルサイズ=主担当占有率 / 色=Tier
Tier 1 緊急(≥60点) 3名
Tier 2 要整備(40-59) 3名
Tier 3 計画(25-39) 9名
Tier 4 維持可(<25) 17名
全31名 優先度ランキング
合成スコア降順
#Tier 利用者セグメント 月売上(円)型化率 主担当%総時間h 優先度
SECTION 07

Tier別 アクションプラン

今すぐ着手すべき項目をTierごとに具体化。優先度スコアは 売上貢献(40%) × 属人化リスク(30%) × 型化困難度(20%) × 稼働時間(10%) の合成値で算定しています。

📐 Tier振り分けの判断基準
Tier優先度判定条件対応方針
T1 緊急 ≥60 月売上30万円超 かつ
(型化率60%未満 または 主担当占有50%超 または 3か月稼働300h超)
1か月以内にマニュアル整備・担当体制再編
T2 要整備 40-59 月売上20万円超 かつ
(主担当占有40%以上 または 特定1名依存)
3か月以内にバックアップ2名固定化
T3 計画 25-39 月売上5〜20万円 または
(少数担当≤3名で主担当40%超) または サービス混在
6か月以内に担当多様化
T4 維持 <25 型化率70%以上 かつ 月売上10万円未満 かつ 担当5名以上で分散 現状維持・新人教材として活用
※ スコア計算:売上(最大40pt)、主担当占有率(最大30pt)、(100-型化率)(最大20pt)、3か月稼働時間(最大10pt)を正規化後合算。
※ 複数条件がORの場合は、いずれか1つ満たせばその基準を満たすと判定。
TIER 1
緊急引継ぎ対象 (優先度60以上)
3名 / 合計月売上 2,861,356円 (全体の35%)
選定基準:月売上30万円超 × (型化率60%未満 または 主担当50%超 または 稼働300h超)
内堀
①成人重度訪問 / 24歳
月売上: 829,794円
型化率: 9%
主担当占有: 20% / 7名体制
主担当: 仲村(Ns) / 古澤(Ns)
3か月稼働: 308h

現状課題

型化率最低。日々の訪問時間と開始時刻が大きく変動する重度訪問。7名で分担しているが手順書未整備。

推奨アクション

  1. 利用者向けケアマニュアルを2週間以内に作成(処置・ルーティン・禁忌事項)
  2. 7名の担当者をコア3名+サブ4名に再編し、コア3名間で月1の情報同期を実施
  3. 訪問記録のテンプレ化(時間単位の処置・服薬・家族対応ログ)
柴田
④小児医療ケア(看護) / 10歳
月売上: 1,023,904円 (最大)
型化率: 90%
主担当占有: 33% / 7名体制
主担当: 古澤(Ns) / 濱田(Ns)
3か月稼働: 410h

現状課題

最大売上利用者。5時間×週複数回の長時間看護で時刻固定済。上位2名で63%集中。

推奨アクション

  1. 古澤氏(Ns)・濱田氏(Ns)をペア主担当化、第3担当者を育成(現萩原氏を昇格)
  2. 医療的ケアの手技マニュアル整備
  3. ご家族との連絡窓口を複線化
小泉
⑨その他(支援+訪看) / 30歳
月売上: 1,007,658円
型化率: 64%
主担当占有: 20% / 17名体制(最多)
主担当: 座喜味(Ns) / 古澤(Ns)
3か月稼働: 362h

現状課題

担当17名と分散済みで属人化リスクは低いが、週内訪問件数が最も多く(月30件以上)情報共有コストが大。

推奨アクション

  1. 連絡ツール(Slack/LINE等)での情報共有ルール策定
  2. 週次5分ブリーフィングを担当者間で実施
  3. 標準対応ルート(月・水・木のコアパターン)を可視化し新入スタッフの早期戦力化
TIER 2
要整備 (優先度40〜59)
3名 / 合計月売上 1,469,325円
選定基準:月売上20万円超 × (主担当40%以上 または 特定スタッフ1名依存)
笹谷
①成人重度訪問 / 24歳
月売上 527,246円 / 型化62%
主担当44% / 6名体制
主担当: 座喜味(Ns)

推奨アクション

  1. 座喜味氏(Ns)を正主担当に明確化、バックアップ2名を固定
  2. 土日の8h訪問の手順書化(入浴・食事・排泄ケア)
白石
⑥高齢者リハ中心 / 71歳
月売上 289,783円 / 型化95%
主担当75% / 3名体制
主担当: 丹野(PT) 56件

推奨アクション

  1. 丹野氏(PT)依存解消→川崎氏(PT・17件)を第二担当として頻度引上
  2. 丹野氏不在時の代替体制を3月中に確立
  3. 訪問内容は定型化済み — 実行が最優先
阿武芝
④小児医療ケア / 9歳
月売上 652,296円 / 型化98%
主担当38% / 9名体制
主担当: 秋田(Ns) 39件

推奨アクション

  1. 秋田氏(Ns)のバックアップとして濱田氏(Ns)・座喜味氏(Ns)を常時アサイン
  2. 土曜8h訪問の代替者を育成
TIER 3
計画的整備 (優先度25〜39)
9名 / 半年以内に段階的に整備
選定基準:月売上5〜20万円 または (少数担当≤3名で主担当40%超) または サービス混在
主要対象
冨田・山口・近藤・海老名・田村・境・北田・田澤・坂本

共通アクション

  1. 冨田: 送迎(毎朝45分)を専任化し看護/ST/リハと分離
  2. 山口: 時間長パターン確定(75/90/120/180/240分)を家族と合意し固定化
  3. 近藤/海老名/坂本/田村: 少数担当(2名)で高属人化。各利用者に第3担当者を育成
  4. その他は現状安定。半年サイクルで担当多様化を図る
TIER 4
現状維持可 (優先度25未満)
17名 / 定型化済みの安定層
選定基準:型化率70%以上 × 月売上10万円未満 × 担当者分散(5名以上)
活用可能性
型化率95%超の安定層
大石・荒井・北川・小林 など

活用アクション

  1. 型化率高い60分リハ群はマニュアル整備で新人教材として活用
  2. 四半期に1度、担当ローテーション機会として活用
  3. 工藤は直近3か月売上0円のため個別状況確認 (退所済みの可能性)